Episode 6 Script

こんにちは。ともみです。お久しぶりです。長い間 Podcast お休みしていたんですが、その間も聞いてくれた皆さん、本当にありがとうございます。すごく嬉しいです。ちょっとね、最近は新しいプロジェクトがあったり、動画の編集をしたりして忙しくてですね、なかなか Podcast ができませんでした。でも私 Podcast 大好きなので、また今日から始めていきたいと思います。よろしくお願い致します。

えーとですね、今日は文法をひとつ説明したいなと思っています。どの文法かと言うと、N2の”〜わけにはいかない”という文法です。”わけにはいかない”は、N2の文法なので、まだ勉強したことがない人もいるかもしれませんが、日本人がよく使う文法なのでぜひ最後まで聴いてくれたら嬉しいです。

で、一週間前にちょっと旅行に行ったんですけど、その旅行の最中に”わけにはいかない”という文法を使うシーンがあったので、そのエピソードを話したいと思います。

先週私たちが行ったのは、新潟県(にいがたけん)の苗場(なえば)という町でした。で、この新潟県の苗場という町は、雪がたくさん降るところで、スキー場が有名なんですね。私も夫と話して「娘に雪を見せたいね。」っていうことになったので、苗場に行くことにしました。この苗場というのは、私たちが住んでいる東京からは高速道路で3時間ぐらいのところにあります。で、この苗場ね、私たちが行った時はもう残念ながら大雨で、本当にすごい雨が降ってたんですよ。寒くて寒くて外にいるのも大変だったんですけど、でもまあ娘はね、楽しそうに雪を触って遊んでたし、スキー場にも何人かね、大雨の中スキーとかスノーボードとか楽しんでいる人もいました。

で、この苗場にはね、二泊三日で行ったんです。なので苗場にある小さな旅館に泊まったんですけど、この旅館のね、経営をしているご夫婦が本当に親切な方で、この宿泊費(しゅくはくひ)、”旅館に泊まるためのお金”ですね。宿泊費には私と夫の食事代が入っていました。でも娘の食事代は入っていなかったんですね。で、まだ娘は2歳なのでそんなに食べないし、たりなかったら何か注文しようと思ってたんですけど、本当に親切なご夫婦が娘の分の食事も準備してくれたんですね。私たちは「その分支払いますよ。お金を払いますよ。」って言ったんですけど、「いや。いいよいいよ。ちょっとだから気にしないでください。」っていう風に言ってくれて、本当にね、私たちもすごくありがたい気持ちになりました。

で、この奥さんが子どもが大好きっていう風に言っていて、娘ともたくさん遊んでくれたんですけど、あの、遊ぶだけじゃなくて、娘のためにお菓子もたくさんくれたんですね。お菓子。例えばクッキーとかチョコレートとかキャンディとかですね。でもね、実は私はまだこの甘いお菓子を娘にあげたことがなかったので、この奥さんがくれたお菓子は娘にあげないで私が全部食べたんですね。でも、二日目の夜かな。食事が終わった後にアイスクリームを出してくれたんですよ。アイスクリーム。でも、私は娘にアイスクリームをあげたことがないんです。初めてのアイスクリーム。で、もし私の母が娘にアイスクリームをあげようとしたら、多分私は断ったと思うんですね。断ると思うんです。”断る”というのは、「お母さんやめて。アイスクリームあげないで。まだ食べたことがないから。食べたことがないから、あげないで。」っていうふうに言うことですね。これが”断る”です。

例えば、「来週の土曜日映画見に行かない?」「あごめん。来週の土曜日は予定があるんだ。」これも”断る”ですね。あと、「よかったらコーヒー飲みませんか。」「今お腹がいっぱいなので結構です。」これも”断る”ですね。なのでもし、私の母が娘にアイスクリームをあげようとしたら、私は断ります。「お母さんやめて、あげないで。まだ食べたことがないから。」でも、私はこの奥さんが、苗場の旅館の奥さんがアイスクリームを(娘に)あげた時に「あげないでください。」って断ることができなかったんです。でもね、私は日本人だから日本語も話せるし、 奥さんは日本人だからもちろんコミュニケーションはできますよね。だから「あげないでください。」って私が言うことはもちろんできるんですよ。でも、もし私がこの奥さんに「娘にアイスクリームをあげないでください。」って言ったら、『奥さんがちょっと悲しい気持ちになるかな』とか、『たくさん親切にしてくれたのに失礼かな。なんかマナーがよくないかな。』っていう風に思って、断ることができなかったんです。この時に”わけにはいかない”を使います。本当は私は奥さんに「アイスクリームをあげないでください。」って言いたかったんです。断りたかった。でも、断るわけにはいきませんでした。断るわけにはいきませんでした。はい、この”わけにはいかない”というのは、何かしたいことがある、やりたいことがある。でもそれをやったら、それをしたら、その後にいい気持ちがしない。ちょっと嫌な気持ちになる。悪い気持ちになる。とか、もしそれをやったら後で大変なことになる、っていう時に”わけにはいかない”というのを使うんですね。

例えば、日本の会社であなたと先輩が一緒に仕事をしています。で、今は夜の9時です。あなたの仕事は終わりました。でも先輩は今まだ仕事をしています。あなたはどうしますか?

多分「もう先に帰る」っていう人もいるかもしれないんですが、多くの日本人は待ちます。先輩の仕事が終わるまで帰りません。もし先輩より早く帰ったら、先輩に失礼かもしれない。ちょっとマナーがね、よくないっていう風に考えるんですよね。最近はそういう風に考える人は少ないのかもしれないんですけど、ちょっと前はそれが普通でした。なので、自分はもう仕事が終わって暇。暇です。でも先輩がまだ仕事をしているから、私が先に帰るわけにはいかない。でもね、もちろんまだ電車もあるし、足もあるし、帰ることはできるんです。でも今もし帰ったら、先輩に失礼。後で先輩に怒られるかもしれない。これが、”わけにはいかない”の例ですね。

他にも、例えば今日の夜家でオンラインミーティングがあります。ミーティングは夜の8時からです。今はランチタイムです。友達とランチタイムでランチビール飲もうかな、ランチワイン飲もうかな。ランチタイムにちょっとお酒を飲むことにしました。でも今日の夜は仕事がありますよね。でも今日の夜にオンラインミーティングがあるので、たくさんお酒を飲むわけにはいかないんです。酔っ払うわけにはいきません。本当は飲みたいです。でも、飲んだら後で大変なことになります。だから、飲むわけにはいきません。

でね、今は『断るわけにはいかない』とか、『たくさん飲むわけにはいかない』『酔っぱらうわけにはいかない』っていうふうに、辞書形を使いましね。でも、この”わけにはいかない”というのはない形を使うこともできるんです。ない形。

例えば皆さんのパートナーが、皆さんのために料理をしました。お菓子でもいいですね。クッキーとかチョコレートでもいいですけど、何か皆さんのために作ってくれました。で、皆さんがそれを食べた時に「わっ、おいしくない・・・」これがおいしくなかったら、皆さんどうしますか?食べますか?食べませんか?食べない人もいるかもしれませんが、でもね、皆さんのパートナーが自分のために作ってくれたから、多分ちょっとおいしくないけど食べると思うんです。これは、もし食べなかったらパートナーが悲しい気持ちになるかもしれない。もし食べなかったら、後で喧嘩になるかもしれない。だから食べないことが難しい。食べないわけにはいかない。このパスタあんまりおいしくないけど、でもパートナーが作ってくれたから食べないわけにはいかない。あとね私も、前にね、10年ぐらい前に付き合っていた彼が、私のためにねプレゼントをしてくれたんですね。で、このプレゼントがネックレスだったんですけど、ネックレスのこのデザインがね、猫のデザインだったんですよ。猫の目が、なんかこうキラキラして・・うん、まあ可愛かったんですけど、私あんまりそれが好きじゃなかったんですね。で、本当はこのアクセサリーをつけたくなかったんですよ。このネックレスをつけたくなかったんです。でもつけなかったら、私の彼が悲しい気持ちになりますよね。だからあんまり好きじゃないデザインなんだけど、つけないわけにはいかない。はい、ちょっとそんな昔のエピソードもありました。

で、この”わけにはいかない”はニュースでも使われています。日本のニュースを見ている方は、オリンピックの組織委員会(そしきいいんかい)というちょっと難しい”committee” ですね。この”committee” のリーダーが辞めてしまったっていうのを知っているかもしれません。リーダーの名前は森さんという方なんですけど、この森さんが辞めた時にこう言いました。

「問題をこれ以上長引かせるわけにはいかない。」

ちょっと難しいですかね。”長引く”というのは自分が考えていた時間よりもっと長くなるとか、予定よりももっと長くなる、という意味です。例えば私も今、 Podcast を10分ぐらいで終わりたいなって思ったんですけど、今15分レコーディングしてます。これ長引いたんですね。長くなっちゃったんです。他にも例えば、ミーティングが2時間の予定だったのに、最終的には2時間半、3時間かかってしまった。この時にも「今日のミーティングが長引いて大変だった。」というふうに使います。もう1度このニュースのセンテンスを話しますね。森さんはリーダーを辞めるときにこう言いました。「問題をこれ以上長引かせるわけにはいかない。」”もっとこの問題が長くなったら、その後が大変なことになる”という意味ですね。

それから、コロナウイルスの影響で日本も学校が長い間お休みになったことがあったんですけど、ある小学校の先生はこう言いました。

「再び学校を止めるわけにはいきません。」

”再び”というのは”もう一度”という意味ですね。もう一度学校を止めるわけにはいきません。もちろん、コロナウイルスは大きな問題なので、学校を止めた方がいい。子供達も学校に行かない方がいい。でも学校に行かなかったら、子供達が勉強する時間がなくなって、大変なことになる。”という意味ですね。

もう一つ病院で働いてる医者がこう言いました。

「自分がコロナウイルスに感染するわけにはいかない。」

自分がコロナウイルスに感染するわけにはいかない。”感染”というのは”移る”という意味です。風邪が移った。娘が風邪を引いて私に移った。っていうことですね。

もう一度言いますね。このお医者さんですね、お医者さんが「私がコロナウイルスに感染するわけにはいかない。」もしこのお医者さんがコロナウイルスに感染したら、患者さんを見る人が少なくなってもっと病院が大変なことになる”ということでした。

ということで、これが”わけにはいかない”の例文でした。ちょっと難しいかもしれませんね。もしかしたら日本人らしい文法かもしれません。”やりたいけどやらない”とか”やりたくないけどやる”とかね。本当に私は Podcast をもっとやりたいんですけど、他に大変な仕事があったので Podcast やるわけにはいきませんでした。Podcast をやる時間を大きな仕事に使う必要がありました。なのでね、ポットキャストやりたかったけどやるわけにはいきませんでした。でもこれからたくさんやりますので、皆さん是非聞いてください。最後まで聞いてくださって本当にありがとうございました。 Web サイトの方にスクリプトがありますので、ぜひ見てみてください。ではまた次のエピソードで会いましょう!バイバイ。


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